ペギー

先月5月6日から28日まで、ペギーはオランダのツアー会社「ロングトレイル」と、そのツアーをコーディネートする「デフワールドアドベンチャーズ」の手話通訳として、イスラエルとヨルダンに滞在していました。

23日間、ペギーはグループに同行し、現地ガイドとアメリカ人旅行者の間で国際手話(IS)およびアメリカ手話(ASL)の通訳を行いました。

文化や言語、宗教の異なるさまざまな都市を巡るツアーだったので、ペギーはこの仕事をとてもエキサイティングに感じたと言っています。苦労したのは、現地ガイドのISがすべて同じではないため、異なるISサインをよく観察していました。あるガイドのISサインはヨーロッパ寄りで、あるガイドのISサインはASL寄りでした。たまに、英語のフィンガースペルが使われることもあったが、現地ガイドも旅行者も、手話やジェスチャーが一番好きなようで、そう多くはなかった。

ペギーは「ガイドさんの言葉の選び方やメッセージをすぐに理解することができ、安心しました」と語っています。 「異なる文化、言語、宗教、伝統を理解できるようになったのは、多くの人のおかげです。この世界のすべてを知っているわけではありませんが、キリスト教やユダヤ教の家族、友人、先生、アラブ出身の大学のルームメイト、そして世界ろう連盟での仕事を通じて、多くの国際的リーダーたちと知り合ったからこそ、つながりが持てたのだと思います。私のISスキルを支えている最も重要な要素は、日本で得た異文化交流と変容の経験です。日本のすべての人々が、明らかにされたメッセージを理解するために、忍耐強く耳を傾ける方法を教えてくれました。 ペギーさんは、家族や友人がいなければ、通訳の仕事はとても大変だっただろうと語っています。 国際手話通訳者を目指す人は、多様性や文化の違いを受け入れることが必要です。

ペギーは、IS通訳としてツアーで活躍する未来もあるのではないかと考えていました。 しかし、COVIDや戦争、ガソリン価格などの影響で観光スタイルが変わっていく可能性が高いそうです。 音声ガイドも増えていますし、ISのビデオガイドもありますね。

最後にDeaf World Adventuresは、現地のツアーサプライヤーと一緒に冒険を行う旅行会社です。 Deaf World Adventuresは米国の会社で、米国の旅行者のみを対象にツアーを募集しています。ロングトレイルは、オランダのツアー会社で、イスラエルで手話ツアーを行っています。

ペギーはDeaf World Adventuresの共同経営者ですが、今回のイスラエル・ヨルダンツアーでの彼女の役割は、Long Trailとの共同経営でした。


MERI

2022年5月1日から15日までブラジルのカシアス・ド・スルにて開かれた第24回夏季デフリンピックに、陸上競技団体の国際手話通訳として同行させていただきました。

デフリンピックに参加したのは2回目です。

初回はろうあ連盟の国際手話通訳としてイタリアのローマで開かれたデフリンピックの時でした。あの頃は、国際手話ではなくアメリカ手話で意思疎通を図っていました。しかし、ほとんどの国が陸続きである欧州のろう者たちは堪能な国際手話で話していました。そこで、私は彼らに混じって国際手話を習得、そしてそこで覚えたわずかな国際手話を会議や試合で披露しました。

あの時の経験を生かすために、できるだけたくさんの世界各国のろう者と、積極的にコミュニケーションを図ってきました。国際手話は言語ではないため、国によって表現方法が微妙に異なります。そのため、国際手話の習得にかなりの時間を要しました。また、今回、デフリンピックにて初めて陸上に関する手話通訳を務めさせていただきましたが、陸上に関する専門の手話をもっとマスターしたいと思いました。そこでアメリカ在住時代にお世話になった元ICSD会長のドナルダ博士に、個人的にレッスンを設けてもらい、何回かに分けて教えていただきました。その結果、手話だけではなくデフリンピックの歴史や流れについても知ることができたのは貴重な経験です。事前勉強をしておいたお陰で、デフリンピックでは胸を張って行動することができると思っていた矢先に試合全て中断という形になってしまいました。泣くにも泣けないほどの残念無念の情が胸にこみ上げて来ました。

とても残念な結果でしたが、日本チームに同行したことで、自分の経験値を高めることができ、感謝しています。 ISの通訳者は、複数の言語や手話を知っているポリゴット(多言語話者)が多いことに特に注目しています。 ブラジルでは、日本語、英語、ポルトガル語、スペイン語、日本手話、アメリカ手話、そしてISを使いこなすことができたと実感しています。感謝です。